ハイデガーの現前性について

 

 ハイデガー存在論の根源を時間性においたので、(デリダが「存在と文字」Jacques Derrida,ousia et gramè,in MARGES DE LA PHILOSOPHIE,LES ÉDITIONS DE MINUIT,pp.31-78.で示唆したように)自ら『存在と時間』(Matiin Heidegger,SEIN und Zeit (1927)),Gesamtausgabe,Band2, Klostermann,1977.pp.34-35.邦訳、原祐・渡辺二郎訳、ハイデガー著『存在と時間』、中央公論社、1971年、p.98)で定式化した「現存性」あるいは「現前性」(Anwesenheit)(この概念は『時間と存在』MARTIN HEIDEGGER, ZUR SAHCHE DES DENKEND,MAX NIEMEYER VERLAGE TÜBINGEN,p.2.[Aus Anwesen, Anwesenheit spricht Gegenwart.]辻村公一訳、『思索の事柄へ』、筑摩書房、p.5.「現前すること、すなはち現前性、そのことのの内から現在といふことが語ってゐる」にまで維持される)の形而上学に止まっているのではないか?