「西洋の近代国家は『民主的たらざるをえない』(・・・・・・)」(論文集第四、四三八頁」)と林直道は『西田哲学批判』(解放社 昭和甘年五月十日 p.173.)で西田の民主主義観を述べている。ここから述べられることは、西田はあくまでも西洋の近代国家に民主主義を限定していたことがわかる。しかし彼の民主主義観は明らかに間違っていた。実際、現在の日本は民主主義国家であるからだ。こうしたことから、当時の京都学派の始祖においても「主權は卽宗教的性質を有する」(西田幾多郎全集 第十巻 第3版収録のp.334.)と述べ、戦争協力に荷担したことがわかる。
 この書(『西田哲学批判』)を調べたところ、西田幾多郎全集 第十巻(第3版収録のpp.333-334.)に同様の箇所があった。
 しかも、同全集 第十二巻 第3版のp.415.に「ナチス」への言及がある。現在では常識になっているが、民主主義がファシズムナチスも含めた全体主義の意味)に原理的に転化することは明らかだ。
 以上の点から見ても、民主主義とは本質的にファシズム化するから西田は間違っていたのだ。